院長ブログ

2019年3月

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補綴治療

顎顔面補綴の講義を受けてきました。

先日、顎顔面補綴のArun B. Sharma先生の講義を受けました。顎顔面補綴とは歯だけでなく、癌などで失った顎の骨やその周囲の組織を人工物で補う治療です。今回は上唇や上顎の発育に関する疾患である口蓋裂や口唇口蓋裂などの治療についての講義で、治療には歯科医師だけでなく、耳鼻咽喉科など様々な診療科との連携により、成長の時期に合わせて長期的な計画で行われるとのことでした。 欠損した口蓋垂や口蓋を人工物で補うことがありますが、最終的には欠損した歯を入れ歯やインプラントなどにより補います。 今回学んだ考え方は、一般的な歯の欠損の患者さんにも応用可能な考え方です。 患者さんの失った歯を補うためには、残った歯やインプラント、取り外し式の入れ歯やブリッジを駆使して行いますが、そのとき、患者さんの状況によって、多くの工夫や理にかなったアイデアが必要です。 当院では、一本一本の歯の状態をしっかりと検査し、なるべく自分の歯を生かした補綴方法を受けていただけたらと思い、日々診療にあたっています。

母校で補綴の講演を聞いてきました。

4人の異なる専門の先生の講演を聞きました。 ○審美歯科: コンポジットレジンについて 歯の切削量が少ない症例や、研磨についての話を聞きました。コンポジットレジンは型を取らずに直接詰めることができますが、窩洞形成はクラウンと同じように丁寧にやると聞きました。私も用いているように、顕微鏡下での処置が必要になると思いますし、私もコンポジットレジンを用いた修復は積極的に行なっています。 セラミック修復について 近年強度がしっかりしたe.maxやジルコニアが出てきているので、金属を使わずに歯を修復できる可能性が上がってきています。ジルコニアは当初色に問題がありましたが、近年審美性が上がってきて、今後もその傾向は進みそうです。接着ステップも丁寧に行うことが大事です。当院も多くのセラミック修復を行なっていますが、接着操作にはしっかり時間を確保して、後日の確認も含めて丁寧に行なっています。しかし、きれいに歯を治すにしても、当たり前ですが、かみ合わせをしっかり整えた上でじゃないと審美は成り立たないということは大事だと思います。 ○インプラント: インプラントに関して、長期的に維持できるように、また修理などが容易にできるような部品を選ぶ必要があります。そのためのインプラント体やアバットメント、上部構造を選び、なるべく力を分散させて問題の起きにくい構造で、問題が起きても容易に対処できるような構造を目指していく必要があります。 ○ジルコニアやe.maxの接着: 金属の被せ物とは異なり、セラミックの種類によって適した接着手順を追っていく必要があります。 ○インプラントオーバーデンチャー: 下顎を総入れ歯にするにしても、インプラントを1-2本埋入する方法があります。そうすることで、総入れ歯だけの時よりも安定して入れ歯を使えるようになることがあります。

補綴学会東京支部会へ参加しました。

先日、補綴学会東京支部会へ参加しました。 今回は東京近辺の大学による学会でした。 専門医試験の症例を拝見しましたが、多数の歯が欠損することで、またそれを放置することで顎の位置や歯の位置が動いてしまっていることがあります。それを被せ物やブリッジ、入れ歯、インプラントなどを用いて治していくのはある程度の長期間がかかることがあります。 補綴の技を駆使した症例の発表は見ごたえがあり、勉強になりました。 また、いくつかの講演を聞いてきました。 肺炎やCOPDに関して。入れ歯には多くの菌やプラークが多いので、金具の所や粘膜に接する所をしっかり清掃することが大事です。高齢化に伴い口腔内細菌由来の誤嚥性肺炎が50代以降で増える傾向にあり、また慢性閉塞性肺疾患(COPD)への悪影響を及ぼす可能性がありますので、歯周病治療などの口腔ケアによって予防していく必要があると思います。 また、今デジタル技術を用いて短期間で入れ歯を作る方法が試みられています。まだ研究機関などに限られますし、作れるものも限られますが、コンピュータの発想も取り入れることによって、人間では思いつかない軽量化された入れ歯のフレームを設計することもあるようですので、今後も注目しつつ、実践で取り入れられるようになったら用いていきたいと思います。

歯内療法勉強会に参加しました。

昨日歯内療法の勉強会に参加しました。 症例の相談では、時間経過によるCT画像での歯の周囲の骨や上顎洞底粘膜の肥厚の変化を見させていただきました。 必ずしも確定的な診断が得られない時は、なるべく侵襲の少ない治療から行い、経過を追っていくことも大事だと思いました。 また、1つの症例を通して多くの人からの考えを聞くことができました。 次に、歯根端切除術の各論として、縫合と診査・診断についての講義がなされました。 縫合は歯根端切除後に粘膜を元の位置に戻して創面を閉鎖し、かつ治癒に関わる大事なところです。 また、歯内療法では通常の根管治療を行うか、歯根端切除を行うか、根管治療を行なってから場合によって歯根端切除を行うか、などの選択が行われます。その際のレントゲンやCT画像により、歯や補綴物、周囲の骨や粘膜、解剖学的な構造などをしっかり押さえた上で治療方針を決めていくことが大事だと思います。 今年もこの会に出させていただき、多くの知見を得ることができました。今後も続けていくことで自分の治療技術を向上させていきたいと思います。

イギリスロンドンでの国際歯科研究学会(IADR)に参加しました。

先日、ロンドンで開催されたIADR(International Association for Dental Research 国際歯科研究学会)に参加しました。 今回は、私の大学院の時に行った研究について、ポスター発表する機会があり、ポスター作成にも参加させていただきました。 IADRは、歯科系の海外ジャーナルにおいて、インパクトファクターが最高のJournal of Dental Researchと関連する学会で、そこに自分の研究が発表されたのは、とても喜ばしく思いました。 発表されていた他の研究分野は、多岐にわたりましたが、私が多く時間を割いた弾性率の測定に関しては、様々なものを対象に行われ、また新たな方法が発表されておりました。そのようなことを知ることもできました。 地道な基礎的研究は臨床と結び付くまで時間がかかりますが、このような研究の積み重ねで患者さんの治療が少しずつ良くなってくることを期待しています。 今後もなるべく研究に携わりつつ、歯科臨床を行なっていきたいと思います。

補綴歯科学会に参加しました。

岡山での補綴歯科学会に参加しました。 補綴とは失った歯の部分や機能を補う治療です。 根の治療や歯周病、ホワイトニングなどの治療を終えて、最後に歯を被せたり、ブリッジや入れ歯を完成させる最後を担う補綴ですが、網羅する範囲としては歯列矯正や審美的要素、インプラントにおける外科的な側面など多岐にわたります。 今は、高齢化の中で、いかに長く生活の質を保ち続けていくかが重要視されます。歯科分野でできる範囲は限られますが、咀嚼・嚥下などの口腔内・周囲機能の低下や、それに付随した全身疾患などの問題が起こります。我々歯科医としては、口腔機能をなるべく長く良い状態で保てるように、補綴設計や義歯・口腔内メンテナンスなどを行い、より長く自分の口から食べられるようにサポートさせていただけたらと思います。 また、睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、医師と歯科医の双方から講義がありました。診断には専門機関と連携が必要と考えられ、歯科が介入できるのは、口腔内の装置作成など限られますが、SASによる障害は大きいことがあるため、私にできることは担っていきたいと思います。 また、今回の補綴学会では総義歯や部分床義歯について、多くの発表や講演がありました。 歯の保存技術が向上した分、抜歯後に義歯を作る際は、顎堤の条件が悪くなったりと、義歯を含めた補綴の難易度が高くなっています。 それに対して、個人個人の抱えている口腔内の状況や、現義歯における問題点、審美的な希望などは異なります。 ですので、一人一人に合わせた問題点を一つ一つ抽出し、インプラントも視野に入れながら、より良い補綴計画を立てて進めていけたらと思います。

4月から診療日が増えます。

4月から月水金土と週に4日の診療をさせていただきたいと思います。 今までは、大学での研究や臨床などに多くの時間を割きましたが、無事に大学院を卒業し、博士号を取ることができました。 これは、大学で関わった教授を始め本当に多くの方のおかげでなされたことと思っており、本当に感謝しております。 これからは、大学での学びを続けつつ、稲川歯科医院での診療時間を増やし、今までご不便をおかけしていた患者さんに、もっとスムーズにいい治療をできるよう努めていきたいと思います。 私は、研修終了後5年間は歯内療法という、歯の根の治療をする分野に属し、その後5年間は部分床義歯という、部分入れ歯の分野に属してきました。 お口の中全体を治療するには、一本一本の歯の状態がどうかを評価し、必要があれば歯周病治療からむし歯治療、根の根管治療を行い、最終的には被せ物やブリッジ・入れ歯・インプラントをセットして、それを維持していくことが必要と考えています。 その中での根の治療には、専門的な知識やCT・顕微鏡などの技術を用いて診療し、最終的に歯の形に戻していくところでは、噛み合わせや入れ歯などの知識・経験を生かしていきたいと思います。 さらに、磨き方を確認・練習したり、専門家によるクリーニング・フッ化物の使用をし続けることで、治療後の状態をより長く保ち、結果的にご自身の歯が長く保てるようにお手伝いをして行けたらと思います。 稲川歯科医院は、父と祖父の代から約70年続いていますが、患者さんのために丁寧な治療を心がけてきました。私が産まれる前になされた先代の治療がまだ患者さんのお口の中にあることもあります。また、常に勉強し続けてより良い治療が選べるように努めてきました。なるべく歯を抜かない、削る量を最小限にする方法を考えつつ、治療を進めていきたいと思います。 これからも、歯のことで困った方にお手伝いをできるよう努めていきたいと思います。

補綴学会に出席してきました。

補綴学会に出席してきました。 今回は、インプラント関連のお話しから、歯科医師と歯科技工士の連携について、顎関節症について、総義歯、全顎的な補綴治療について、など様々なお話しが伺えました。 歯科医師と歯科技工士の連携をしっかりとって治療するのは非常に重要です。歯科医師が歯の形を形成し、印象採得した型からおこされる模型を元に詰め物や被せ物を歯科技工士の方に作ってもらうわけですが、双方でしっかりとしたコミュニケーションをとり、場合によってはセラミックの色調などを写真でお伝えすることによって、適合や機能だけでなく審美的にも良い詰め物・被せ物・ブリッジなどを作製してより長く使っていただけたらと思います。 また、全体的な歯の治療が必要な場合は、総入れ歯や部分入れ歯、ブリッジなどを用いて治療していくことがあります。今のかみ合わせを診査し、必要ならかみ合わせを修正し、噛むことも、また見た目にもしっかり整った状態になるように治療していきます。治療は場合によって長期間必要なこともありますが、一つ一つの歯を丁寧に治していくと、後々の歯の持ちがよいので、腰を据えて治療にに取り組むののが重要なこともあります。 全てをインプラントで治療するAll-on-4や、前歯部インプラント治療についてなど様々なお話しが聞けました。 なるべくこのような学会に出席して、研鑽を積み、患者さんへいい治療をしていきたいと思います。

歯内療法症例検討会に出席しました

歯内療法症例検討会に出席してきました。 この症例検討会は毎月行われている会が、半年に一度大々的に行われますが、今回は、10回記念ということで、いつもと場所が変わり、大盛況でした。 内容的には、開業医の先生も大学の先生も発表されていて、大学病院ならではの症例のお話しも聞けましたし、また開業医の先生の保存が難しそうな歯をしっかり治療されていり症例も見させていただき、やはり教科書だけでなく、実際の症例を見聞きすることは重要だと思いました。 支台築造に関する講義もファイバーポストに関して、最近の材料に関してのお話しが聞けました。

口腔外バキュームを設置しました。

最近、義歯や被せ物などの補綴治療(歯を補う治療)が増えてきましたので、補綴治療の際、義歯などの調整のときに出る削りカスを吸うための口腔外バキュームを設置しました。 今後は、総入れ歯や部分入れ歯、ブリッジや被せ物などの補綴治療にも、より一層力を入れていきたいと思います。